チロゾウの備忘録

認知症の家族との生活や趣味の手芸など日常を思いつくままに

無事に帰れますように

よく行くドラッグストアに「猫を探しています」の貼り紙がありました。

逃げ出した日付を見ると、

「1月1日午後4時頃」

ああ、きっと地震にビックリして外に出ちゃったんだな。

 

もしかして外に出たのが初めてで、帰り方がわからなくなっちゃったのかな。

飼い主さんはどれほど心配しているだろう。

想像するだけで胸が痛みます。

 

私が高校生の頃に猫を飼っていたのですが、引っ越しをしてしばらく経ってから猫は家を出てしまいました。

 

慣れない家が嫌だったのか、外に出たら帰れなくなってしまったのか、元の家の方に戻ってしまったのか。

その猫とはそれっきり会えないままとなりました。

 

あまりにも辛く悲しく苦しくて、その猫の話しをずっとできずにいました。

母も苦しかったのでしょう、私たちは「居なくなっちゃったね」と言ったきり、その猫の話しはその後ほとんどする事はありませんでした。

口に出したら自分を保っていられなくなりそうで…。

 

数日前、母に会った時に、居なくなった猫やその当時の事を話しました。

どうしていなくなってしまったのか、二人で色々話しました。

 

母と当時の話を出来るようになるまで、なんと34年もかかってしまいました。

猫に限らずですが、それほどまでに苦しいんですよね。

 

探し猫の貼り紙を見ると、どうか1日も早く猫ちゃんが無事に帰れますように、と願わずにはいられません。

早く飼い主さんと再会できますように。